ウスバシロチョウ成虫の飼育

ウスバシロチョウ
ウスバシロチョウ

ウスバシロチョウ(ウスバアゲハ)

分布 北海道、本州、四国

特徴 前翅長25~35㎜程度、翅は鱗粉が少なく透けています。黒い翅脈があり、色は白いもの、黒いものなど地理的変異があるようです。細く黄色い体毛が体全体を覆っていて、フワフワとした毛深い印象の蝶です。シロチョウと名が付くがアゲハチョウ科。飛び方は、フワフワ舞うように飛び、モンシロチョウより遅いぐらいです。ただ、体内に毒を溜めているので、そのように優雅に飛んでいても外敵に襲われることがないのかもしれません。捕獲自体は非常に簡単です。毒を持っているからといって触っても大丈夫。触って皮膚が如何にかなるような毒ではありません。(息子はいつも触ってエサを与えています)

生態 年に1回、4月~6月(温暖な地域)にかけて発生します。成虫のエサは花の蜜です。1度交尾したメスの尾の先には付属物ができるので、交尾済みかどうか判ります。産卵はムラサキケマンなどの幼虫の食草にせず、地上に落ちた枯れ枝などにします。卵で越冬し、2~3月頃に孵化します。幼虫のエサは、ケシ科のムラサキケマン、エンゴサクなどで、蛹の時にマユを作る珍しい生態の蝶です。ムラサキケマンは有毒で、幼虫はその毒を体に溜めていきます。そのため、羽化後の成虫も毒を体内に持ちます。

ウスバシロチョウの付属物
ウスバシロチョウの付属物

飼育 エサを与える時は落ち着いていて、飛び回るような蝶ではないです。飼育はし易い蝶だと思います。また、枯れ木を入れておくと産卵してくれます。ただ、卵から成虫までの飼育は、その生態の難しさ(上のサイトに詳しいことは書かれているので参考にして下さい)から、今のところ諦めています。

ウスバシロチョウの飼育環境

 飼育ケースはなるべく大きなものがいいでしょう。これは、どの昆虫でもそうですが、大きいものほど昆虫のストレスを軽減できるからです。ストレスによって死んでしまうことはよく起こります。また、壁や障害物に翅が当たってボロボロになることもよくあります。でも小さい飼育ケースだからといって飼えないわけではありません。実際、一番小さな飼育ケースも使って飼育しています。飼育ケースが小さいと感じたら、ダンボールを使って飼育ケースを作るのも一つの方法です。蝶のような隙間に入り込まない昆虫には有効です。

 飼育ケースの中には、木の葉や木、草などを入れてあげましょう。蝶の止まる所や休む空間になります。ウスバシロチョウの捕ったときの回りの風景を思い出してください。それとなるべく似た空間を作ってあげましょう。飼育ケースの中に花の鉢植えが入れればベストです。私の場合、木の枝や葉や朽木(クワガタのを流用)を入れてあります。下の写真のように大きな木の枝を立てると、大きな蝶(カラスアゲハなど)の場合、枝に翅が当たってボロボロになることがあります。

ダンボール飼育ケース内の様子
ダンボール飼育ケース内の様子

ウスバシロチョウのエサと与え方

 ウスバシロチョウは花の蜜をエサとする蝶です。この場合、砂糖水で代用できます。サラッとした感じに仕上げてください。私の場合、50㏄に対して砂糖を小さじですり切り2杯で作っています。舐めてほんのり甘い程度がいいようです。砂糖は入れすぎると、蝶がストロー(蝶の口)を詰まらせて死んでしまうことがあるようです。

砂糖水を吸うウスバシロチョウ
砂糖水を吸うウスバシロチョウ

 私の場合、魚とかのパックの発泡スチロールに砂糖水を入れています。深くない容れ物がいいと思います。そこにティッシュペーパーに砂糖水をジャブジャブに含ませて与えています。蝶の体に砂糖水が多くついてしまうとベタベタになってしまい、そのせいで動けなくなり死んでしまうことがあります。

 ウスバシロチョウは大人しい蝶のようで、飼育ケースから出して砂糖水のところにおいてやると飲んでくれます。飲まない個体は、蝶の口(ストロー)をつまようじの先で伸ばして、ストローを砂糖水のところにもっていくと飲んでくれます。蝶のエサの与え方は、HPの”蝶の飼い方、育て方”のところで詳しく書いてあります。十分に砂糖水を飲んだチョウは羽ばたき始めるので、動き出したら飼育ケースに戻します。

私の場合、夜に1度エサの与えています。

 エサの代用として、メロンを与えてみましたが飲みませんでした。スイカは飲む個体もいました。しかし、一緒に飼っていたスジグロシロチョウが、スイカを飲んだ次の日に死んでしまいました。去年のことを思い出すと、スイカを与えた次の日にウスバシロチョウが死んでしまいました。花の蜜をエサにするタイプの蝶には、スイカは濃すぎるのかもしれません。砂糖水で飼うのが無難のようです。

飼育ケースの置き場所

 飼育ケースが小さいものの場合の置き場所は、直射日光の当たらない薄暗いところに置いていました。明るくしすぎると逃げようとして暴れて元気がなくなります。また、翅もボロボロになります。このような時は、ダンボール箱を被せて中を真っ暗にして夜の状態にするのも1つの方法です。蝶は無駄な体力を使わなくなります。体力を使わないので、死んでしまう可能性は低くなりますが、ずっと暗闇で飼育するのも可哀想な感じはします。

 飼育ケースが大きい(飛ぶ十分なスペースがあるダンボール飼育ケース)場合は、明るい所に置き、のびのびと飼育しています。ダンボール飼育ケースにはプラスチック飼育ケースに比べ陰になるところが多くあるので、昆虫たちはおのおの好きな場所で過ごしています。

ウスバシロチョウ飼育記録

2019/5/6

 岐阜県山県市でウスバシロチョウ4匹を捕獲。

その日から飼育を開始。

今日のエサは砂糖水。4匹とも元気。

2019/5/10

 エサにカシスグレープジュース与えてみた。

飲んでくれているようだ。

2019/5/11

 1匹が元気がなくなる。

2019/5/12

 昨日弱っていたチョウが死んでしまいました。

まだ、3匹は元気。

エサにスイカを与えてみる。

みんな美味しそうに飲んだ。

2019/5/13

 朝昆虫ゼリーを与えた。

1匹が抵抗してのまなっかった。

2匹目が帰ってきたら死んでいた。(昆虫ゼリーを飲ませたチョウ)

2019/5/14

 また1匹が元気がない。(昆虫ゼリーを飲ませたチョウ)

昆虫ゼリー与えたからかもしれない。

2019/5/15

 元気がなかったチョウが死んでしまった。

まだ、1匹は元気。今日はスイカを与える。

2019/5/16

 最後の1匹が元気がなくなってきた。

2019/5/17

 最後の1匹が死んでしまいました。

 

エサは砂糖水がいいと思います。スイカも飲んでくれます。

ただ、昆虫ゼリーは与えない方がいいと思います。

朽木を入れておくと、そこに卵を産むかもしれません。

ウスバシロチョウがいなくなったあとで、虫かごの中を見てみたら卵を産んでいた。卵で冬を越し、春に幼虫が生まれるそうです。卵の乾燥(特に夏)に気を付けるそうです。幼虫のエサが手に入らないかもしれないので、この卵は、ウスバシロチョウを捕獲した場所の湿った日陰に置いてきました。

2020/4/29

 岐阜県山県市に昆虫採集に行きました。ウスバシロチョウは時期的に少し早かったようで、去年程飛んでいませんでした。それでも何とかウスバシロチョウ4匹を捕まえました。今回は、交尾済み(付属物が付いている個体)はいません。

 今回は、蝶を飼育するためにダンボールで飼育ケースを作りました。その中で、色々な蝶と一緒に飼育します。

 夜、砂糖水を与えたら、1匹はあまり飲まなかったが、3匹は飲んでくれた。

4/30

 4匹とも元気そうだ。砂糖水も素直に飲んでくれた。やはり、ウスバシロチョウは、飛び回らないのでエサを与え易いです。

5/2

 ウスバシロチョウはダンボール飼育ケースの中で、昼は明るい方を目指して飛ぶようで、窓(光を取り入れるため)に当たって、飛んでを繰り返しています。そこで、窓の前に網を入れて、蝶が捕まっていられるようにしました。

5/6

 1匹が死んでしまいました。最近はあまり飛ぶことがなく、地面を歩くことが多いように感じます。

5/12

 夜に見たら、1匹が窓と網の間で死んでいました。残りの2匹も砂糖水は飲むけれど、元気はあまりない。地面を歩くことが多いです。あまり飛ばせないように飼育した方が長生きするのだろうか?

5/14

 2匹とも元気がない。1匹は何とか生きているという感じ、もう1匹は飛ぶ力がない。息子は寿命だろうかといっていたが、私は飼育環境に問題があるのでは?思っています。

5/15

 2匹とも死んでしまいました。翅は2匹ともボロボロになっていました。

 

今回の飼育で解った事、問題点

 今回、早いもので1週間、長いもので2週間強飼育しました。寿命というには短いと思います。ダンボール飼育ケースは縦56㎝✖横46㎝✖高さ100㎝のものです。ウスバシロチョウが十分に飛び回ることのできるサイズだと思いますが、ヒオドシチョウのためにエノキの枝を高く立てていました。そのため、飛び回るのに障害物になっていたようです。また、日光の差し込む明るい場所で飼育していたので、よく光に向かって飛んでいました。3、4日で翅がボロボロになっていました。今まで飼って来た蝶で、ルリタテハ、ヒオドシチョウ、クロコノマチョウなどの日陰、木陰を好む蝶は、ダンボールで飼育ケースを覆って暗くしてやったり、ダンボール飼育ケースのような日陰のできやすい環境で長く飼育できました。アゲハ、ジャコウアゲハ、ウスバシロチョウなどは光に向かって飛んでしまい、短命になる傾向があります。ウスバシロチョウなどは、飼育ケースの置き場などを見直す必要があるかもしれません。