分布 北海道、本州、四国、九州
特徴 前翅長35~45㎜程度。翅は黒色、白色の2色に見えますが光が当たると黒褐色の地に白斑や帯模様があるのが判ります。一見、小型のアゲハチョウ(ナミアゲハ)に似ていますが、翅に丸みがあり尾状突起もありません。口吻(ストロー)が鮮やかな黄色で目立ちます。目はオレンジ色。性別の違いが翅に現れないので、雌雄の見分けが難しいです。息子はお腹の大きさで判断をしているそうですが、それが正しいのかは判りません。春型と夏型があり、春型は翅の白色部分が大きく全体に白っぽい印象になります。春型と夏型の大きさの違いについては春型が大きいという人もいれば、夏型が大きいという人もいます。息子が捕まえた個体では、大きさの差は顕著にでていませんでした。
生態 成虫は年に2回発生します。温暖な気候の所では3回発生するそうです。主に雑木林などで生息していて、木の高い所を俊敏に飛び回ります。なかなか舞い降りてくることが少なく捕獲は非常に難しく、何時間も挑戦して1匹も捕れないどころか捕れること自体が珍しいです。成虫はクヌギなどの樹液を吸うのでクワガタなどと一緒に見かけることがあります。また、腐った果実などもエサになります。
飼育 1週間程度なら飼育できますが、1ヶ月を超えるのは難しいです。飼育最初の日が肝心で、その日に上手くエサを摂らせないと死んでしまうことも。自分でエサを摂ってくれるようになれば安心です。飛翔速度が速いのでエサをあげる時には注意して下さい。
ゴマダラチョウの飼育環境
HPの”チョウの飼育、育て方(成虫編)”を参考にして下さい。飼育に重要なことは、チョウが休める環境を作ることです。止まる枝や木などが必要です。下の写真は縦40㎝✖横24㎝✖高さ30㎝の飼育ケースです。出来るだけ大きな飼育ケースで飼育してあげて下さい。蝶の負担が減り、ストレスで死ぬようなことが減ります。飼育ケースの大きなものを買おうと思うと2000円くらいはします。高価なので自作の飼育ケースを作るのも1つの方法です。私はダンボールで飼育ケースを作ってみました。サイズは縦56㎝✖横46㎝✖高さ100㎝です。
飼育ケースの置き場は、直射日光の当たらない薄暗いところにしています。まだ、蝶の種類によって置き場を変える必要があると思いますが、はっきりとしたことは飼育しながら調べようと思っています。
エノキ(榎)の枝をカップに刺したもの(作り方は”ナナフシの飼育編”の所で紹介)を入れてあげるといいと思います。メスならば卵を産んでくれます。
ゴマダラチョウのエサは樹液なので、昆虫ゼリーで代用できます。また、他の代用できるエサとしては、スイカがあります。
エサはチョウが自分から飲んでいないときは、チョウの翅を持ってエサに近づけてあげると飲んでくれます。また、ストロー(チョウの口)が巻いたままなら、つまようじなどのとがったもので、伸ばしてエサの所に導いてあげて下さい。もし、飲まなかったら時間をおいて再挑戦してください。蝶(成虫)は飲まず食わずだと捕獲日から2日目には死んでしまうことがよくあります(2日目の夜には絶対に飲ませて下さい。まず、3日目には死んでしまいます)が、暴れて飲まない場合は飼育ケースの中にエサを一緒に入れて置きましょう。
ゴマダラチョウが産卵したら育ててみましょう。興味のある方は”ゴマダラチョウ幼虫の育て方”へどうぞ。
ゴマダラチョウの飼育記録
2019/7/15
近所の古墳でゴマダラチョウのメスを1匹捕まえる。お腹が大きいので卵をもっているかもしれない。家にある一番大きな飼育ケースに入れて飼育を始める。今日のエサは、昆虫ゼリーとスイカの両方を入れる。
7/16
ゴマダラチョウは元気。今日、エノキの枝をカップに刺して飼育ケースに入れた。
卵を産んでくれるといいなあ。
7/17
今日帰ったら、エノキの枝に小さな卵が何個もついている!
やったー!
産んでくれた!
ゴマダラチョウも元気で、凄い速さで飛び回れる。ただ、卵を産んだ後だから、体力が落ちていると思うので心配。今日は昆虫ゼリーを飲ませた。
7/18
今日も卵を新しく産んだ。昨日産んだ卵は黒くなった。中の幼虫が見えているのかな?産まれたばかりの卵は綺麗な緑色をしています。産んだ卵はエノキの枝ごと、他の飼育ケースに移した。今日は、スイカと昆虫ゼリーを飲んでいた。エサに乗せれば素直に飲んでくれる。
7/19
今日もまた新しく卵を産んだ。ゴマダラチョウは元気。スイカをたくさん飲んだ。
7/20
今日も卵を産んだ。卵は50個以上はあるかも?
7/22
今日、孵化して幼虫が生まれているのに気が付いた。少し大きいのもいるので、もしかしたら昨日孵化したものもいるかも。幼虫は2~3㎜くらい。写真では綺麗に撮れないぐらい小さいので、載せれないのが残念。幼虫は全部で30匹ぐらいはいそう。すき間の小さい飼育ケースに入れておいたけど、それでも逃げる。仕方がないので、飼育ケースにサランラップを貼り、針で穴をあけて空気穴にした。
ゴマダラチョウはまだ元気、昆虫ゼリーをよく飲んだ。
7/25
今日、とうとうゴマダラチョウが死んでしまいました。昨日まで、毎日卵を産んで50~70個ぐらい産みました。大切に育てよう。
今回の飼育で解ったこと、問題点
今回は10日程しか飼育出来なかった。飼育方法が悪いのか産卵が終わって力尽きたのかは判断できません。成虫のエサは、昆虫ゼリーをメインにスイカでもいいようです。他の果物でも良さそう。(例えばバナナとか)何よりも嬉しかったことは産卵してくれたこと。幼虫は大切に育てるつもりです。
2020/5/19
今日、近所の古墳のエノキでゴマダラチョウ春型と思われる個体を捕まえました。両方の前翅の先が既に欠けていて可哀想です。春型の特徴である白化が顕著に出ています。ダンボール飼育ケースに入れて飼育開始します。夜は暴れてエサを飲みませんでした。明日死んでしまわないか心配です。
5/20
今日はエサを摂ってくれた。元気そうです。
5/22
また同じ場所でゴマダラチョウ春型を捕まえました。今回のは前のほど白化が出ていません。翅もとても綺麗な状態です。2匹の内どちらかがメスだといいのだけど・・・。
5/24
夜見てみると、二日前に捕まえたゴマダラチョウが死んでいました。昨夜はエサをちゃんと摂っていたはず・・・・。原因が解りません。
5/27
夜見ると、ダンボール飼育ケースの壁に止まっていました。まだまだ元気そうです。
6/4
ウバタマムシが今日死にました。岐阜は気温31℃でした。飼育ケースは直射日光の当たる明るい場所に置いていました。おそらくは暑さが原因だと思います。ゴマダラチョウは元気でした。
6/8
アサマイチモンジチョウ、アオスジアゲハ、カラスアゲハも今日死んでしまいました。このところずっと猛暑日続きです。暑さが原因でしょう。息子に飼育ケースの置き場所を直射日光の当たらない場所に移した方がいいと伝えました。ゴマダラチョウの元気はあります。
6/9
とうとうゴマダラチョウを死なせてしまいました。飼育ケースは直射日光の当たる場所から移していませんでした。猛暑日は昆虫たちも同じで辛いのでしょう。
今回の飼育で解ったこと、問題点
今回はダンボール飼育ケースで、広々とした空間で飼っていました。ダンボール飼育ケースの中は影が多くあり、ゴマダラチョウの休む空間も十分にありました。ゴマダラチョウは旋回性能が良く、縦40㎝✖横24㎝✖高さ30㎝の飼育ケースでも翅がボロボロになることもなく飼えていました。飼育環境としては良かったと思っています。ただ、置き場所を直射日光の当たる場所にしていたため、猛暑日に飼育ケース内はさらに気温が上昇していたと思います。人間も脱水症状を起こすような暑さなら昆虫にも辛いはず・・・。気温30℃を超えるような日には、飼育ケースの置き場や温度管理が大切だと改めて確認しました。
2020/8/1
今日、タマムシを捕りに近所の古墳に行きました。すると、ゴマダラチョウも飛んでいたので捕まえることにしました。ゴマダラチョウは所々に止まっては卵を産んでいるように見えました。産卵に夢中になっているところを捕りました。
ダンボール飼育ケースでタマムシ達と一緒に飼育することにしました。
8/2
ゴマダラチョウがエノキの葉に産卵しました。数は全部で10個程度です。
8/5
8/2以来ゴマダラチョウは卵を産んでいない。もう全部産んでしまったということでしょうか?ゴマダラチョウは元気はありますが、若干お腹が細くなったような印象を受けます。
8/7
息子が帰って飼育ケースを覗いたところ、ゴマダラチョウが死んでいました。最近暑かったので、それが原因かもしれません。昼に誰も家にいない時は30℃を優に超えていると思います。
今回の飼育で解ったこと、問題点など
今回は1週間で死なせてしまいました。やはり、夏の暑さが原因と考えます。誰も自宅にいない時には、室温は優に30℃は超えています。誰もいない時でも冷房をつけなければならないようです。う~~ん電気代が・・・・・。