ダンボール飼育ケースの作り方

カラスアゲハ、オニヤンマなど大きな昆虫が捕れると飼いたくなりますよね。でも、持っている飼育ケースが小さい場合、翅が壁に当たってとても窮屈そうな時があると思います。大きな飼育ケースを買うと2000円とかしますが、ダンボールで飼育ケースを作れば安くできますし、ダンボールなので自由自在に作ることができます。

ダンボール飼育ケース
ダンボール飼育ケース

材料と用意するもの

ダンボール
ダンボール
工作道具
工作道具

①ダンボール・・・・複数組み合わせる場合、同じサイズのもので作った方が楽です。

②ガムテープ・・・・紙、布のタイプがありますが、紙のガムテープはガムテープの接着面の反対側がつるつるで、ガムテープ同士がほとんどくっつきません。布タイプの方が作り易いです。

③食品保存ラップ又は網・・・・飼育ケースの窓に使います。

④接着剤、のり・・・・ダンボール同士の貼り付けなどに使います。

作り方手順

底になる面にビニール袋を貼る
底になる面にビニール袋を貼る

まず、底になる面にビニール袋(私は大きめのゴミ袋を使いました)を貼ります。昆虫は排泄をするので、それをダンボールの底にしみ込ませないためです。ダンボールとビニール袋に隙間ができないように、綺麗に貼り付けます。隙間があると昆虫が入り込んでしまう可能性があります。

ダンボールを敷く
ダンボールを敷く

貼り付けたビニール袋の上にダンボールを敷きます。物を置く時に安定させるためと、汚れて来たらダンボールのみを取り換えればいいからです。

のぞき窓を作る
のぞき窓を作る

のぞき窓を作ります。まず、鉛筆で窓の形を書き、カッターナイフで切ります。窓は切り取ってしまってもいいと思います。私は下だけカッターで切らずに、窓を開け閉め出来るようにしました。次に食品保存ラップか網を窓の大きさに切り、窓の縁にガムテープで貼り付けます。網の場合、直ぐに剥がれてくるようなら、針と糸でガムテープ、網、ダンボールごと縫い付けて下さい。布を縫うようには行きませんが、十分に針でダンボールを貫通させることはできます。

 ラップと網のどちらがいいかというと、光を取り入れたり覗いたりするだけならラップの方が簡単に作れます。夏のことを考え、通気性を考えた場合、手間ですが網で作った方がいいでしょう。

ダンボールを貼り合わせる
ダンボールを貼り合わせる

ダンボールを貼り合わせて箱型にします。ガムテープで貼り合わせる時は、内側に接着面が全く出ないようにして下さい。昆虫がガムテープにくっついてしまうかもしれません。

底の部分の出来上がり
底の部分の出来上がり

外からも角にガムテープを貼り強化したら、底の部分の出来上がりです。部屋の隅に置くことを考え、窓は2つ作りました。この大きさだけでも、市販の飼育ケースの最大級のものより大きいです。冷蔵庫などのダンボールが手に入れば、簡単に大容量の飼育ケースが出来ます。

 このまま天井を網やダンボールで覆って完成でもOKです。完成までの時間は1~2時間というところでしょうか。

 私の場合は、さらに1段積み増し2階建てにしました。

ダンボール飼育ケース2階
ダンボール飼育ケース2階
ダンボール飼育ケース2階-裏
ダンボール飼育ケース2階-裏

上の写真のように2階は吹き抜けにしました。そうすることによって、飼育ケース内に大きな空間を作ることができました。しかし、ダンボールの強度が不足しました。そこで、強化パーツを作ることにしました。

強化パーツ1
図1(強化パーツ1-脚)

上の写真のような、1階と2階の接合部(四隅の脚のような形のもの)のパーツを作りました。形は断面が直角二等辺三角形になるようにしました。直角二等辺三角形の辺の比は、1:1:ルート2になります。

強化パーツ
強化パーツ1-作り方

直角二等辺三角形の1辺を3㎝にした場合、斜辺は4.2㎝(ルート2=1.41・・・)ぐらいになるので、上の写真のダンボールを3㎝、4.2㎝、3㎝に線を引き、その線をカッターナイフで軽く切れ目を入れ(ダンボールを折り易くする為)その線に定規をあて曲げると脚のパーツができます。後はガムテープでしっかりと貼り付けます。(図1参照)

取り付けた脚
図2(取り付けた脚)

出来た脚は、上の写真のように四隅に取り付けます。取り付ける時は、ガムテープとノリの両方で貼り付けた方が強度が増します。また、脚の先端は切り込みを入れ細くし、1階と2階を合体させる時に入れやすいようにしました。さらに、ダンボール同士のずれ防止のため、上の写真のように脚と脚と間の中央部に2枚のダンボールをノリで付けました。これも1階と2階を合体させ易いように、ダンボールを少し開いてガイドの役目も果たすようにしました。

強化パーツ2
強化パーツ2

上の写真のような部品をダンボールで作ります。

強化パーツ2を天井の四隅にノリとガムテープ(両方の方が強度が上がります)で貼り付けます。

 覗き窓なども付け2階部分の完成です。2階製作にかかった時間は、試行錯誤していたので5~6時間です。手順をある程度決めて作れば、2時間ぐらいで作れると思います。

ダンボール飼育ケース2階-完成
ダンボール飼育ケース2階-完成

2階の上に被せる蓋を作ります。余った適当なダンボールで作ります。

天井の蓋
天井の蓋

明かりを取り入れるための窓をカッターナイフで切り取り、そこに網をガムテープでで貼り付けました。しかし、接着がいまいちで、直ぐに剥がれてきてしまいました。

蓋に網を縫い付ける
蓋に網を縫い付ける

そこで、蓋に網を縫い付けました。裁縫用の針と糸でダンボールは何とか貫通できました。

ダンボール飼育ケース-完成
ダンボール飼育ケース-完成

完成した翌日、この中にアゲハ1匹、ヒオドシチョウ♀1匹、テングチョウ♀1匹、ツマキチョウ♂1匹を引越ししました。次の日、ヒオドシチョウとテングチョウが産卵しました。

ヒオドシチョウの産卵
ヒオドシチョウの産卵
ヒオドシチョウの卵
ヒオドシチョウの卵

引越しをする前、普通の飼育ケースで、ヒオドシチョウ4日前から、テングチョウは6日前から飼っていました。ダンボール飼育ケースに入れた次の日に産卵したことから、狭いとストレスを感じて産卵しづらいのでは?と思いました。

ダンボール飼育ケースの中
ダンボール飼育ケースの中

飼育してみて解ったこと

 ダンボール飼育ケースの中は広々していて、蝶なら10匹くらい飼っても問題はなさそうです。ただ、エサやりが大変になるので、飼育出来る頭数を考えて下さい。また、今回作ったサイズのダンボール飼育ケースなら、アゲハチョウは飼育できそうですが、カラスアゲハなどの大型の蝶やトンボは、横方向にさらに広いダンボール飼育ケースを作った方が良さそうです。ジャコウアゲハを2匹飼いましたが、1匹が羽ばたいて翅がボロボロになってしまいました。