ウバタマムシの飼い方

ウバタマムシ オス 表
ウバタマムシ オス 表

分布 本州、四国、九州

特徴 体長25㎜~40㎜程度。6~8月頃に見られます。表面は地味で、松の幹の保護色になっています。裏面は綺麗で、光に当たると金銅色や赤銅色の金属光沢を放ちます。また、羽化して間もない個体は、黄灰色の粉を纏うそうです。頭部、前胸背、上翅にシワ状の隆条が多くあります。体長はヤマトタマムシと同程度だがガッシリとした体格をしています。個体の雌雄は腹部先端で区別できます。

生態 松の木にいるタマムシで、昔はヤマトタマムシのメスと思われていたらしいです。表面が松の幹の保護色になっているので、なかなか見つけづらいです。(息子が言うには、ウバタマムシの輪郭で判断して見つけるそうです)成虫のエサはマツ類の葉。幼虫のエサはマツ類の材部。松材の害虫とされているので、捕まえたら責任を持って最後まで飼育しましょう。

飼育 タマムシ(ヤマトタマムシ)に比べて拒食症になることはあまりないようです。エサを無理に与えなくても自分で食べてくれることが多いです。

ウバタマムシ オス 裏側
ウバタマムシ オス 裏側
ウバタマムシ メス 裏側
ウバタマムシ メス 裏側

 ウバタマムシの雌雄は、上の写真の腹部先端を比べると解ります。オスは割れ目がありますが、メスにはありません。これはヤマトタマムシと同じです。

 表面は地味ですが、裏面は金属光沢がありキラキラして綺麗。ヤマトタマムシと比べると見劣りしますが、昆虫の中でも綺麗な部類に入ると思います。

 ウバタマムシの飼育は2019年はうまくできず、捕って来て1週間も経たずに死んでしまいました。今回(2020年)は飼育方法を変えてやっています。皆さんも工夫して飼育してみてください。もし、上手く飼育できましたら、教えて頂けると有難いと思います。

ウバタマムシの飼育環境

前回(2019年)の飼育

 プラスチックの飼育ケース小(160×100×高さ120)の物を使いました。そこに、松の枝ごと採ってきた松の葉をそのままいれました。松の葉はしおれたりしているように見えないので、水の入ったカップなどには刺しませんでした。一日に一回、霧吹きで飼育ケース内を湿り気を帯びる程度に濡らしました。飼育ケースの置き場所は、直射日光の当たらないところ。直射日光が当たると温度も上がりますし、水分もどんどん無くなっていくので、死んでしまう原因になると思うからです。木陰をイメージした少し暗いところに置きました。

2020年の飼育

 今回は、ダンボールで飼育ケースを作っていたので、その中で蝶と一緒に飼いました。飼育ケースの大きさは縦56㎝✖横46㎝✖高さ100㎝で、ペットショップで売っている最大級のものの5倍ほどの広さです。そこに、ヨーグルトのカップにオアシス(園芸用吸水スポンジ)を入れ、切って来た松の枝を刺します。オアシスには、ときどき水を追加しますが、飼育ケース内は霧吹きで濡らしたりしません。産卵を意識する場合、松の木、朽木などが必要になると思います。

 飼育ケースの置き場所は、部屋の直射日光が入る場所においています。ダンボール飼育ケースは、プラスチックのものに比べ影が出来る場所が多いので、昆虫それぞれが好きな場所にいます。ウバタマムシは主に、飼育ケースの天井に張り付いています。のびのびと過ごしている感じもします。

ウバタマムシの飼育
ウバタマムシの飼育の様子

 ダンボール飼育ケースに興味のある方は、HPの”困った昆虫のあれこれ”の”ダンボール飼育ケースの作り方”をご覧下さい。

ウバタマムシのエサ

 エサは松の葉です。それを上の写真のように、オアシスに刺して飼育ケースにいれました。松の葉はなかなか枯れないので、1、2週間は取り替えません。ヤマトタマムシのように拒食症になるか心配していましたが、自分でエサを摂ってフンもしていました。

ウバタマムシの飼育記録

2019/7/23

 近所の山の松の木でウバタマムシを捕まえました。飼育ケース小に入れて、そこに松の葉をそのまま入れました。

7/24

 ウバタマムシは元気そうです。松の葉もかじられたような跡があります。今日も同じ場所でウバタマムシをもう1匹捕まえました。

7/25

 2匹とも元気。エサも食べている。

7/26

 1匹が死んでしまいました。もう1匹はまだ元気。

7/27

 もう1匹が死んでしまいました。

 

8/25

 旅行先の愛知県蒲郡市西浦にてウバタマムシを捕まえました。飼育ケース小に入れて、そこに松の葉をそのまま入れた。

8/26

 松の葉をかじっているようだ。フンもしている。元気そうだ。

8/27

 今日も元気。エサも食べているようだ。

8/29

 死んでしまいました。昨日は元気だったのに・・・・。

 

今回の飼育で解ったこと、反省点

 他の虫も飼っていたし、エサも食べていることに安心して飼育環境が雑だったことが問題だったように思います。やはり、松の枝は水の入ったカップに刺して与える必要があったように思います。また、松の葉をエサ兼止まり木的な役割にしていた。松の枝を切って入れておくべきだったと思います。飼育は難しい種類の昆虫かもしれません。

 

2020/4/25に捕れたウバタマムシ
2020/4/25に捕れたウバタマムシ

2020/4/25

 祖母の家(愛知県の一宮タワーの近く)でウバタマムシを捕まえた。こんな時期にいるとは思わなかったので驚きました。今年こそ長く飼育し産卵してほしい。

 蝶のためにダンボールで飼育ケースを作っていたので、そこで蝶達と一緒に飼うことにしました。ウバタマムシがここで飼えたなら(逃げられなかったら)、タマムシもここで飼うことができる。タマムシはストレスに弱いので、ダンボール飼育ケースで飼育できれば、ストレスが減るんじゃないかと思います。

4/27

 心配していた拒食症にはなっていないようです。松の葉っぱがかじられて落ちているのを確認。やはり、タマムシほど繊細ではないようです。

4/30

 今回は、メスなので産卵してほしい。でも、まだ他のウバタマムシは羽化してないだろうなあ・・・。ウバタマムシは飼育ケースの天井に張り付いている。元気はありそうです。

5/4

 今日も元気そうに飼育ケースの天井に張り付いています。ただ、松の葉は、エノキなどの葉に比べて萎れているのか解りにくいです。どうなったら替えればいいのか、まだ解りません。今のところ、1度も松の葉を替えていません。そろそろ替えた方がいいのかな?

5/7

 まだ今までの松が枯れたわけではないけれど、新しい松を採ってきました。松は園芸用オアシスに刺した状態で10日でも枯れないので楽です。ウバタマムシは松の葉を定期的に食べているようです。

5/10

 今日、ウバタマムシが脱走して、テレビに貼りついていた。ダンボール飼育ケースの1階と2階の接続部分に隙間ができ、そこから逃げたもようです。ダンボール飼育ケースでは甲虫は少しの隙間から逃げてしまうので注意です。

5/14

 今日も元気そうに天井の網につかまっている。ここが、ウバタマムシの定位置です。

5/20

 今日も天井に張り付いて元気。もう直ぐ飼育開始から1か月になります。そろそろ他のウバタマムシも動き始めているだろうか?お婿が欲しいと思っています。そして、産卵してくれると嬉しい。

5/26

 久しぶりに松の枝を取り換えました。やはり、1度採って来て園芸用オアシスに刺しておけば、10日~2週間ぐらい持ちます。ウバタマムシは元気です。

5/30

 夜に昆虫のエサやりをしていたら、ウバタマムシが何故かエノキの枝を食べていた。松の枝はそんなに古くはないはずです。エサの状態が悪いから食べたのでしょうか?

エノキの枝をかじるウバタマムシ
エノキの枝をかじるウバタマムシ

6/2

 ウバタマムシがカラムシ(ラミーカミキリのエサ)の茎をかじっている。どうしてなのだろうか?松の枝は取り替えて1週間ぐらいです。

6/4

 夜に見たらウバタマムシが死んでしまいました。昨日までは元気そうでした。今日の最高気温は31℃だそうです。ダンボール飼育ケースを直射日光の当たる場所に置いているので、温度が上がり過ぎて死んでしまったのかもしれません。

 

今回の飼育で解ったこと、問題点

 ウバタマムシがエノキの枝やカラムシの茎をかじっていました。異常行動なのでしょうか?エサの松の枝が気に入らなかった可能性もあります。また、気温31℃の時に、直射日光の当たる場所に飼育ケースを置いていたのは良くなかったと反省しています。ダンボール飼育ケースは広いので、色々な昆虫を一緒に飼育しているため、管理がずさんになりがちでした。